Low Impedance Analyzer(Low Inductance Version)
先に実験したLow Impedance Analyzer for Analog Discoveryにおいて
再考して再度組上げたLow Inductance Versionです。
Analog Discoveryでの測定には自作したBNC基板を使用しました。
SMAコネクタを使用しなければいけない周波数帯では無いのですが
BNCよりスペースが節約できるという事だけの理由です。
回路図の中央の肝と言った部分は下図のRefference Planeになります。
AWGからの信号はCurrent Buffer Ampで電流を検出したあとにReffernce Planeに
検出用同軸ケーブルとともにロー・インダクタンスになるよう充分な面積を確保して半田付けしています。
最短で配置した理由はAWGのリターンが電圧検出用増幅器とコモンモードが生じないように配慮した結果です。
グランド・プレーンも分離しました。
何度も組み直しているので銅箔は汚れてしまいました。
入力短絡の実験風景と実測値です。
初めはDigilent社の BNC基板を使用して測定していました。
途中でDigilent社の BNC基板はCh.1とCh.2のグランドとAWGのグランドが接続されている事を思い出しました。
以前創っておいたBNC基板は差動増幅仕様になっていましたので試したところ
大変に良い結果が得られました。
回路内でのコモン・モードを最終的に低減できたと考えています。
入力の短絡は単純にリード線でショートしただけでは誘導を受けます。
リード線がループ・アンテナになります。
測定結果の100uVは入力換算で1uVです!
ここまで読んで頂いて2本の同軸はどのようになっているか疑問に思われたのではないでしょうか。同軸ケーブルはRG316/Uを選択しました。理由は絶縁体がテフロンで熱に強い事と
シールド網組が密な事です。
もし入手可能であればもっと細い同軸の方がシールドからはみ出させる芯線を接続したときにループが小さくなるので良いと考えます。
しかし何度も半田付けを繰り返すので単線は避けると良いと思います。
2本の同軸は下図のように処理しました。
シールドからはみ出させた2mmの先端はループが最少になるように半田付けします。
同軸が細い程良い理由はここにあります。
細い同軸程芯線を接続した時のループを小さく出来るからです。
ここまで残留インダクタンスを小さくしてもAnalog Discoveryは10MHzまでしか測定できませんので
測定できるMLCCは1uF以下です......この項はこれにて終了します。
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コメント
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アナログ回路のおもちゃ箱様が以前からテフロン同軸でこのようにはんだ付けされていたのを見て安い1.5D-QEVで真似しました。
素人なのでたくさん試したわけではありませんが、レイテン架橋同軸は内部の絶縁体が耐熱なので外部導体を直はんだづけできました。被覆はPVCですが、長めにむいてチューブ処理すれば問題なさそうでした。
分解したPCの無線LANのアンテナも細い同軸の外部導体を同じように直はんだ付けされていました。
0.8D-QEVは外径2mmとさらに細くて細かい場所に使い易そうですが安かった1.5Dがたくさんあるので試していません。あと、0.8Dは中央導体が磁性体のCW線なので…単なるオーディオマニアオカルトですが。
投稿: hen | 2017年8月21日 (月) 23時13分
henさん、お久しぶりです。
今回はシールドに何回も半田付けを繰り返すのでシースの耐熱にも考慮しました。
0.8D-QEVに熱収縮チューブ処理は良いと思いました。
投稿: アナログ回路のおもちゃ箱 | 2017年8月22日 (火) 08時50分