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2016年12月16日 (金)

High Impedance Analyzer for Analog Discovery-3

測定抵抗は1MΩです。高い周波数で浮遊容量の影響を調べるために

High Impedance Analyzer基板の接続方法による違いを実験してみました。

A:アリゲータ・クリップで1MΩ抵抗をクリップして空中に浮かした状態です。

   浮遊容量の影響を受けている事が判ります。

B:1MΩ抵抗をクリップした下はアルミニューム板です。

    浮遊容量が少なくなっています。

C:ケースにいれてのケルビン接続。

D:ダイレクトにケルビン接続。

半田付けのめんどくささをいとわなければダイレクト接続がよい値でした。

DIY'erの評価実験としてはアリゲター・クリップでもありかなと、思います。

20161216_195702

2016年12月15日 (木)

High Impedance Analyzer for Analog Discovery-2

High Impedance Analyzerの測定原理です。

Photo

High Impedance Analyzer for Analog Discoveryの基板は4枚構成です。
一番上の基板はAWGからの信号が浮遊容量を介しての回り込み低減のために右上のランドからケースへ配線で接続します。
切り込み部にはスプリングをいれて陸軍端子を緩めると隙間ができてリード線を差し込みやすいようにしました。
また楕円状基板へのケルビン接続のための信号パターンがあります。
メイン基板にはインピーダンス測定回路とハウランド・カーレント・ポンプ回路が実装できますがハウランド・カーレント・ポンプ回路は使用しません。
楕円状の基板はケルビン接続のセンス端子として使用します。
反対側は同じパターンでハンダレベラー仕上げです。
ビアをリング上に配置して強度を確保しました。
長方形の基板にはAnalog Discoveryに直接接続するためのコネクターを実装します。

4

Improved Howland Current Pump (Output Impedance)

Improved Howland Current Pumpの定数決定のためにシミュレーションです。

カーレント・ソースは高インピーダンスが命という事で

Improved Howland Current Pumpの出力インピーダンスを最大にするために

抵抗値の精度がどのように影響するかを調べます。

使用するOPAで特性は変わります。ここでは THS4011でのシミュレーシンです。

基本的な結果は

回路でR11とR12の抵抗の絶対精度は重要でありませんがマッチング精度が出力インピーダンスに影響します。

(R14+R15)とCMR adj Networkのとのマッチング精度も出力インピーダンスに影響します。

以上を踏まえて読んで頂ければ..とおもいます。

Howland_test_circuit2

出力インピーダンスは下記回路でVz/IRzでシミレーションしました。

Zout_test_circuit

CMR adj Networkの合成抵抗(R131)をパラメータ・スイープした結果です。

理論値では11KΩですがTHS4011のバイアス電流の影響と思われる結果が得られました。

グラフの三角マークが11KΩです。
これはトリミングできるので問題無いですがシビアな抵抗値です。

Ths4011_zout

上記結果からCMR adj Networkを11.009KΩに固定してR11をパラメータ・スイープしました。

10KΩ+/-1Ωの変化で出力インピーダンスは1デカードも変化します。

1Ωは10KΩで0.01%です。

10KΩの絶対精度は必要ないので1%精度の抵抗が20個もあれば

相対精度で1ペアを選別できまると思います。

Zou_r11

Improved Howland Current Pump回路は抵抗値の絶対精度は必要ないが相対精度が要求される事が判りました。

R11、R12の抵抗は下記の個数で0.01%ペアを選別できました。

Photo

選別した抵抗をR11,R12に実装しました。

Hoeland_current_pump_pcb

-

Howland Current Pumpの出力インピーダンスを最適値に調整する原理図がTI社の
AN-1515にありましたので回路図を下記に引用し実際に試してみました。

20161214_232039

上図のセッテイングで出力インピーダンスを最大にするためのCMR adj. VRの調整です。

スコープはX-Y modeです。

VR位置はほぼ中央でした。

Photo_2

200Ωボリュームでの挙動。

Scope_15

Scope_16

2016年12月13日 (火)

High Impedance Analyzer for Analog Discovery

High Impedance Analyzer for Analog Discovery

インダクタ−等のハイインピーダンス測定用プリント基板です。

20161208_183105

太陽誘電のインダクターを測定しました。

Lhl10tb

下図は群馬大学の「アナログお役立ち実験室」でNF社製のFRA(Frequency Response Analyzer)を使用して測定したデータです。

第一回 インピーダンスの計測から「高インピーダンス計測方法」から引用させて頂きました。

この記事がきっかけでAnalog Discoveryでのインピーダンス測定にはまりました。

2年も以上も前からですが..........

Lhl10tb_2

インダクターに流れる電流は反転増幅器のバーチャル・グランドを利用した電流−電圧変換で測定します。
バーチャル・グランドは理想的には0Ωですが実際は有限の値をもちます。

下図の回路で2種類のOPAの入力インピーダンスをシミュレーションしました。

Input_impedanse_3

LT1363_GB:70MHz,Ib:2uA ....「高インピーダンス計測方法」で採用しているOPA。

OPA659_GB:650MHz,Ib:10pA ......今回採用したOPA。

OPAのたちで随分と違いがあることを知りました。

「高インピーダンス計測方法」でも述べられているように高い周波数で低インピーダンスを測定する時は入力インピーダンスが大きいと誤差要因になります。

Input_impedanse_2

シミュレーションで入力インピーダンスが低くGB積が大きいOPA659は実回路において
1Ωラインが高域までよい特性です。

Photo回路図です。

電圧検出は低入力容量のOPA659を使用してDUTの両端を測定しています。

Buffer OPAとI/V Convertor OPAは同じOPAを使う事により位相ずれを抑えられます。

20161213_020058

実験風景

回路図のHowland Current Pump Circuitは使用していません。

陸軍タ−ミナル部でケルビン接続になっています。

中央のしきり板はAWGから検出部へのストレー・キャパシターによる結合を緩和させるために設けました。

しきり板はスプリングで押していますので陸軍端子を緩めるとケルビン接続端子基板も移動します。

Photo_2

冒頭のデータはエクセルとイラストレータで体裁を整えました。

Analog Discoveryでの生データは下図のようになります。

位相特性は大変に奇麗?だと思います。

20161213_022553

Analog Discovery のレガシー・バージョンは電流リミットがシビアでトリップしやすくてあまり実用的ではありませんでした。

AD2の電源は強力になりましたが電源供給中はUSB電流をモニターするルーチンで動作が緩慢になりちょいといらつきます。試験中は基板に直接ケーブルを接続して外部電源から供給しました。

下図は今回の基板でAnalog Discoveryの電源リップルと[X2Y+フェライト・ビーズ+Cap]を通したあとの実測リップル波形です。

V:Ch.1 & Ch.2   2mV/div.

H:1uS/div.

Scope_14

上のリップル電圧測定はプロービングでのループ・インダクタンスを最小にするために同軸ケーブル直づけで測定しました。

20161213_025722

20161213_033117

20161213_033507

20161208_184637

20161213_033950

2年前の出来事....

終了って書いていますが重箱の隅を突っついた結果が今回の基板です。